bluesign®︎ってなんだろう?? 有害物質を使用しない安全な製品がもたらすスノーボードの将来は?_<第2回>

<第2回>製品の安全を示す「bluesign®︎」とは、実際にはどんなことを意味しているのだろうか?

自然の素晴らしい環境のなかで楽しむスノーボード。いい雪質、気持ちのいい自然環境のなかでスノーボードを楽しみ続けるために我々はどうすればいいのだろうか?

 

3つのカテゴリーを繋ぐことで安全を見極める

前回、我々が使用するバッグやウエアなどのスノーボード用品が、製品になるまでの加工段階で有害物質を含んでいるかどうか、製造工程で環境汚染があるかどうかを簡単に見極めることができないという話をしました。
まず、様々な加工に使われる化学薬品は薬品工場で製造されますし、その薬品自体が安全なものなのか問われます。もちろんその製造工場も汚染物を排出していたら、環境破壊へと繋がります。さらに様々な素材を使って製品を製造するメーカーでも同様に安全な素材を使用し、環境汚染のない製造がおこなわれなければ、改善は達成できません。
「ケミカルサプライヤー(薬品工場)」「製造者(製造工場)」「ブランド(メーカー)」3つのカテゴリーすべてが、基準をクリアすることが必要なのです。
「bluesign®︎」はこの3つのカテゴリーを繋いでいくシステムをつくっています。それぞれの製造企業が「bluesign®︎」のパートナー企業として参加し、そうしてできたサプライチェーンによって安全な製品をつくることを実現するのです。

製品が本当に安全であるかどうかは、素材を加工する薬品も安全であることが求められる
製造工場も汚染物を排出していたら、たとえスノーボードを楽しむためにつくられる製品であっても、環境破壊へと繋がってしまうのだ

 

製品の製造に関わる過程を
「人」「環境」「資源」3つの観点で見極めている

製品が安全なものであり、環境への負荷が少ない製造過程を経て完成されているかどうか? 「bluesign®︎」はそれを3つの観点で認証をおこなっています。
『人』製造過程で工場で働く人の安全衛生が守られ、有害な薬品を取り除く対策がおこなわれているか? 有害な化学薬品が含まれていないか? という実際に使用する我々にとっての安全性までを見極めています。
『環境』工場が汚染を防ぐための基準をしっかり守っているかどうかを審査しています。
『資源』製造の過程で薬品や水、原材料、エネルギーの過剰な使用を防いでいるかを審査しています。
この3つの観点でそれぞれのカテゴリーを見極めることで、リスクを最小限に抑え、人と環境を保護する製品が生み出されるというわけです。

「bluesign®︎ PRODUCT」とは?

このようにbluesign®︎認証を得たサプライチェーンを経てつくりだされた製品が「bluesign®︎ PRODUCT」として、我々の手元に届くわけです。
我々に製品を提供するスノーボードメーカーがbluesign®︎ PRODUCTを製造するには、bluesign®︎の認証を受けた工場で製造、さらに使用する素材も、その素材を加工する化学薬品もすべてbluesign®︎の認証をクリアしたものでなければならないのです。だから安心で、環境への配慮もできるということになります。
「bluesign®︎ PRODUCT」ならば、我々がスノーボードを楽しむために使用する製品自体が、有害な薬品を加工段階使用していたり、また製造過程で環境に負荷をかけていたりということはなくなるというわけです。それは安全に楽しみたい、環境破壊を止めたいと願う我々にとって、とても大きな意味があることは間違いのないことです。

bluesign®️ PRODUCTのタグが付いているBURTONのウエア。このタグによって製品の安全とともに、環境に配慮して生産された製品であることを確認することができる
高性能スノーボードウエアの最先端をいくBURTONの[ak]シリーズ。すでにほとんどのアウターウエアがbluesign®️ PRODUCTとして店頭に並んでいる  photo: kentaroufuchimoto.com

次回は、みなさんご存知のスノーボードブランド「BURTON」におけるbluesign®︎ PRODUCT化の動きを紹介します。

>>><第3回>「bluesign®︎ PRODUCT」は今どんどん広がっている
>>><第1回>プロローグ: 環境破壊をストップ、様々なスノーボードアイテムの生産も環境へと大きな影響を与えている